下腿骨骨折とはどんな外傷か
幼児ではベッドや椅子からの転落により、下腿に強い回旋力が加わってらせん骨折が起こります。
10歳以上の年長児では、交通事故やスポーツによる直達外力で横骨折や粉砕(ふんさい)骨折が多くなります。
見落としやすい外傷と合併損傷
幼児では回旋力による骨折が多いため開放骨折はまれですが、年長児では直達外力による骨折が多いため、開放骨折となることがあります。幼児の転位のない不全骨折(いわゆる「ひび」)は、一方向のX線写真では見落とされることがあります。
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症状の現れ方
局所にはれ、痛み、皮下出血、異常な動きを認めます。通常は歩行が不可能となります。
幼児の不全骨折では、骨膜が厚いので転位が少ない場合はわずかなら歩けることがあります。
検査と診断
局所症状とX線写真で容易に診断可能です。幼児の不全骨折で転位がほとんどない場合は、骨折線がはっきりしないことがあります。この時は数日後にX線写真を再度撮影するとはっきりします。
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治療の方法
保存療法を行います。転位のみられる場合は、徒手整復してから外固定を行います。はれが強い場合は副木固定を1週間ほど行い、その後ギプス固定します。幼稚園児までは3〜4週間、小学生以上では5〜6週間固定します。
年長児では、ギプス固定の後半はギプスを付けたまま歩行ができるPTBギプスに巻き変えて、ギプス歩行することもあります。
骨片の転位による変形や短縮は、1横径の側方転位、20度までの関節の運動方向と同じ側の屈曲変形、1cmまでの短縮は自家矯正(じかきょうせい)が可能です。
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応急処置はどうするか
骨折部を副木で固定して動かないようにします。体を起こさずに横にしたまま運びます。
関連項目
骨・関節の外傷総論
(執筆者:鈴木 克侍)
※初診に適した科を掲載しています。なお病院・診療所によって診療科目の区分は異なりますので、受診の際はよくご確認ください。
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